10/25(日)のシステマ南埼玉のクラスの感想をご参考までに載せておきます。
(mixiの日記に掲載したものの転載です。)
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10/25(土)のシステマ南埼玉は、
午前中の通常クラス、午後の特別クラスとダブルヘッダーでクラスを実施した。
午前中の通常クラスでは、前回に引き続き、
「ステイト」(リラックスした快適な状態)の作り方や
システマの様々な動きへの活用法を練習した。
10/19(日)にシステマジャパンで開催された
2014年モスクワツアーレビュー ワークショップが
非常に素晴らしいものだったから、
そこで学んだ内容をシェアする形でメニューを組んだが、
クラスを始める前は、少し不安もあった。
というのも、今回の通常クラスには、常連メンバーだけでなく、
システマが初体験の人や、数年ぶりにシステマのクラスに参加する人も来るようだった。
その人たちに、モスクワ本部の最新の高度なインターナルワークを練習してもらっても、
はたして理解してもらえるのか?・・・と懸念していた。
そこで、モスクワツアーレビュー ワークショップのシェアに入る前に、
四大原則や、エクスターナルからインターナル重視への移行、
ステイトの概念などを丁寧に参加者に説明しておいた。
そして、ローリングやブリージングウォーク、
無呼吸プッシュアップ・スクワットからのステイトの回復・・・などの
基本的なメニューを準備運動としてみっちり行い、
それを踏まえて、さらに質の高いステイトの作り方や高度なインターナルワークを練習した。
すると、システマ初体験の人や久しぶりにシステマをやる人も、
クラスの最後の方では、ステイト感を使った強力なプッシュで
相手を崩せるようになっていた様子で、自分の予想以上にインターナルワークに馴染んでいた。
初心者にも無理なくインター ナルワークの
奥深さを感じてもらうように心がけたわけだが、
その試みは結構うまくいったようで、ホッとした。
高度なインターナルワークといっても、
少しずつ段階を踏む形で丁寧に練習していけば、誰でも身につけられるんだなと思った。
システマ初心者にインターナルワークを教える際も、あまり心配する必要はないのかもしれない。
しかし、初心者でも、インターナルを使うことを覚えれば、
システマの基本が出来ていなくてもそれなりに効果が出てしまう・・・という面も感じた。
例えば、プッシュは「手首を真っ直ぐ」して「拳から」出すことが基本中の基本だが、
高度なステイトを作った上でプッシュすれば、少しくらい手首が曲がっていても
明らかにプッシュ の質が上がる。
少なくとも、ステイトを作っていない時に比べれば、
フォームとしてはダメなプッシュでも、それなりの効果を発揮してしまう。
それはそれで有りだともいえるが、
システマの基本が出来た段階でこそ
インターナルワークを磨けば
あらゆる動きが飛躍的にレベルアップするから、
基本をしっかりと身に着けることもやはり重要だと思う。
単純にいえば、(基本の練度)×(インターナルの練度)の掛け算で
パフォーマンスが向上する印象がある。
だから、経験が浅い人は、ごく基本的なシステマの動きを覚えることに
まずは時間をたっぷりとかけた方がいいと思う。
最近のシステマ南埼玉では、
インターナルワークなどの高度な内容を練習のテーマにした場合、
ローリングや四大運動などの基本的な動きを
丁寧に教える時間があまりないことが多い。
そんな時は、「システマ入門」や「システマ実戦講座」などのテキストを呈示して、
「自宅で基本もしっかりと練習しておいて下さいね!」とフォローするようにしている。
今ではシステマの基本を分かりやすく学べる良いテキストが出版されていることだし、
経験が浅い人は、ぜひ自主練習の助けとして利用することをお勧めしたい。
特に、システマジャパン代表のブレットさんが書いた
「システマ実戦講座」は、
ブレットさんの素晴らしい動きを収録したDVDも付いているから、
非常に参考になると思う。
↓システマ実戦講座 http://systema38.blog.fc2.com/blog-entry-245.html -----------------------------------------------------------------------
午後の特別クラスにも、午前中の通常クラスの参加者3人が
引き続き出席してくれて、さらに、茨城から熱心な常連のFさんも加わり、
濃いメンバーで充実した練習ができた。
特別クラスでは、事前にメニューを詳細に決めず、
参加者の要望も取り入れながら、気の向くままに自由に練習することにしている。
今回は、先日のシステマジャパンのワークショップや、
9月末のO西さんのワークショップの内容を中心にしながら、
インターナルワークの可能性を様々な形で試してみた。
たくさんのメニューをやってみたが、
特に、ザイコフスキーのステイトを養うワークが面白かった。
具体的には、床に寝て、呼吸とともに全身均等にリラックスして身体の各部で血流を感じ、
体内から充実していく感覚を味わう・・・という流れで質の高いステイトを作っていく。
自分がこのワークをやるといつも、
太気拳の立禅をやっている時のように、
体の中から温かい圧力感を感じる。
エネルギーが体に満ちていく感覚がある。
このワークをやった後の感覚を他の参加者にも聞いてみると、
ポカポカと体の中から温かくなり、とても気持ちがいい、という感想が多かった。
ステイトの感覚といっても人それぞれの部分はあるのだろうが、
「快適」という点は共通しているようだった。
システマを修行する際は、「強いリラックス」を得るためにも、
たまにはハードトレーニングが必要だと個人的には考えている。
ただ、システマの練習は基本的に気持ち良くて楽しいからこそ、
世界中の多くの人に親しまれているのだと思う。
また、インターナルを活用すればするほど、
「こんなこともできるんだ!」という驚きや喜びがあるなと、最近つくづく思う。
人間は素晴らしい可能性を秘めているんだなと、練習するたびに新しい発見がある。
今回の特別クラスでもインターナルを使った様々な実験をしてみた。
例えば、握った拳に血流が集まるようイメージしてみると、
実際に、掌底の部分の色がかなりの速さで赤みを増していくのが分かった。
その拳でプッシュやストライクをすると、ドライな拳より格段に効果が増している。
そこで、中国の故事に、最強の矛で最強の盾を突いたらどうなるか?という話が
あったのを思い出し、そのような矛盾する力について、ちょっと実験してみた。
具体的には、ステイトを使った超強力なプッシュと、
ステイトを使った超強力な受けがぶつかったらどうなるか?・・・という実験なのだが、
ステイトのレベルが高い方が低い方をコントロールできる、という予想通りの結果になった。
このような実験は、インターナルワークの知見を共有する練習仲間がいてこそできるわけで、
システマ南埼玉の熱心な参加者の皆さんに感謝したい。
来る11月1日(土)~3日(月)にはいよいよ、システマ創始者・ミカエル師の来日セミナーが開催される。
自分はもちろん全日参加するが、さらに奥深いインターナルワークを体験できそうだと大いに期待している。