推手のようなスパー

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3/5(木)に行ったシステマ夜練の感想をご参考までに載せておきます。
(mixiの日記に掲載したものの転載です。)

※↓以下、本文
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今夜もシステマ春日部のTさんとマンツーマンの夜練を行った。
近頃では深夜でもそれほど寒くなくなり、夜練が大分やりやすくなって有難い。

練習内容としては、土曜日の通常クラスの予行演習として、
2時間半で行うメニューを1時間半に圧縮してやってみた。
とはいっても、結局、練習時間をだいぶ延長することになってしまったが。

具体的には、まず、プッシュアップ・スクワットのフォームの確認や、
スタティックプッシュアップなどを通じて、「リラックスした強い姿勢」を養成した。

そして、姿勢がキッチリと決まった状態で、
プッシュ・ストライク・テイクダウンなど、様々な動きを確認してみた。
やはり、強靭かつ柔軟な姿勢が出来ていると、
あらゆるシステマの動きの効果が段違いに向上すると感じた。

練習の最後は、Tさんがテイクダウンをやりたいということだったから、
レスリングのライトスパーで締めた。

しかし、クラスの中で、テイクダウンへのカウンターの技法を練習していたせいか、
Tさんはカウンターをガチガチに警戒して、動きがかなり固くなっていた。
また、力ずくで強引に崩そうとする傾向も見受けられた。
相手に力任せで崩そうとされると、こちらもついつい、反射的に固くなってしまう。
だから、スパーをやっていても、お互いになかなか崩しが決まらず、膠着する場面が多くなった。

システマ愛好家の中には、スパーをやると固くなるだけだから、
スパーはやらない方がいい、という考えの人もいる。
その考え方にも一理あるが、自分は、リアリティチェックの意味も含めて、
スパーはある程度やった方がいいと思う。
(自分がもともと戦いが好きというのも大きいが。)

相手が少々、固くなったり、熱く好戦的になったとしても、
それはそれで受け入れながら、
自分は相手に影響されずにリラックスしてステイトを保つ練習になればいいと考えている。

ただ、あまりに固くなりすぎたり、膠着する時間が長くなるようなら、
生産的なスパーとはいえない。
やればやるほど、システマが下手になる感がある。
今回のスパーも、力のぶつかり合いになる場面が多かったから、
途中から軌道修正を図ることにした。

力任せに勢いよくテイクダウンを仕掛けると、
相手の本能的な防御反応を誘発してしまい、かえって崩しにくくなってしまう。
だから、母親や恋人の愛撫のような感覚で、
非常にソフトな圧力でテイクダウンを行うよう修正してもらった。
そうすると、相手に抵抗しようとする反応が出ず、不思議なくらい自然に崩すことができる。

また、頭で考えて崩そうとしたり、防御しようとするのではなく、
いわゆる「考えるんじゃない、感じるんだ」モードで
自然な身体の動きに任せてスパーを行うように修正してもらった。

その結果、お互いに相手の動きに逆らわず同調して、
中国拳法の推手のような繊細な感覚のスパーをやることができた。
この感覚があると、クラスの中で練習したシステマの動きが
スパーの中でも自然に出てくる。
システマのスパーはこうでないといかんよなと思った。

システマ夜練を始めた頃は、ついつい力のぶつかり合いのスパーをやりがちだったが、
最近ではこのような良い感覚でのスパーが出来ることが多い。
自分もそれなりに成長はしているが、
熱心にクラスに参加してくれる練習相手の人々が
システマへの理解を深めたことが大きいと感じる。

今後も、勝ち負けは関係なく、お互いに相手の良い部分を引き出し合うような
「大人のスパー」をやっていきたいと思う。

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